パソコンのことについて色々書いてみました。
従来の富士通のパソコンとしては、FM TOWNSなどの名称で発売された独自規格のパソコンで、PC/AT互換機となったFMVとの併売となったあと、FMVに集約されました。
初期より、FMVの部品を海外にて生産する手法が採られており、
これまでの国産パソコンは、部品の国内生産が多かった中で、
いかに安く部品を調達して組み上げられるか・または設計をも海外に委託する手法が採られていた、当時としても珍しい方式の生産体制でした。
その当初は、企業向けのデスクトップPCとして、インテル社製のIntel 486SX/DXが搭載されたモデルなどの、最先端CPUを搭載した商品軍を形成していましたが、
高機能化していくPC用サウンドカードの登場に始まり、Windows3.1の豊富なマルチメディア機能の搭載などもあったがゆえに、次第に一般向け(コンシューマ)を意識したサウンドカードが同梱された限定モデル等も展開されていました。
高速CPUに加えて、当時最速のビデオカードを搭載したハイエンドモデルの登場など、次第にパソコン自体が一般向けの色彩を強くしていきました。
そして95年、Windows95の発売と共に、「マルチメディア」をキーワードとし、大量のプレインストールソフトを同梱(パソコンにマルチメディアプレーヤーや、メールソフトや、または数々の体験版ソフトなど、買ってからすぐ使えるソフトウェアを同梱したこと)した、FMV−DESKPOWER(初代)が発売され、低価格路線と販売攻勢のお陰で、NECの牙城であったパソコン業界におけるシェアを抜いて、悲願の一位となることができました。
ただし、大量に販売されたDESKPOWERの一部には、部品の相性問題などによるユーザーからのクレームに関する問題や、NEC製であったフロッピードライブのFMVのみの保証対象外の問題・そもそも低価格過ぎたことによる赤字の問題があり、良くも悪くもFMVの歴史に残る機種となりました。
現在ではその販売手法が見直されたため、富士通とNECのパソコンシェアは拮抗する状態となっています。
始めはDESKPOWERとビジネスモデルFMVとは筐体を含めて共通化が図られていたものの、
windows98が発売されるころ、ソニーのVAIOシリーズのパソコン市場への参入・そしてVAIOのヒット・そこからユーザー趣向の多様化などのパソコンユーザーの変化から、
一般向けにデザイン性の向上を図る観点などから、ビジネスモデルとの差別化が図られることとなりました。
現在のFMVのビジネスモデルは、ミニノートなどのラインップ・デスクトップ型のパソコンラインナップなどを揃えつつ、堅牢な企業向けのパソコンとしての人気が現在でも高いのが特徴です。
最初のFMV−DESKPOWERの販売形態に倣い、オフィスソフトや、その他のアプリケーションソフトを始めからプレインストールさせた状態で販売したり、パソコン初心者を意識したTVCMを打つなど、次第に各社にも影響を与えていき、パソコン販売の基礎を作っていきました。
そのワープロソフトと表計算ソフトで構成されるオフィスソフトの組み合わせとして、「一太郎・Lotus1-2-3」および「OASIS・Lotus1-2-3」「Word・Excel」などの種類から選べるのも特徴でしたが、現在はMicrosoft Officeシリーズに集約されています。
かねてからマルチメディア関連に力を入れていた富士通は、さらにマルチメディア志向が強くなった現在においてもその志向は変わらず、新世代デジタルテレビ放送(地上波・BS・110度CS)の3波ともHD画質による視聴・録画に対応した製品の発表や、デザイン性に富んだノートパソコン・デスクトップパソコンが次々と発売されていき、とくにNFシリーズは人気となりました。
Last update:2017/11/10